







十勝ナチュラルチーズ協議会は、平成4年10月に「十勝ナチュラルチーズ振興会」が開催した製造技術講習会をきっかけに誕生し、十勝の12工房が集い技術向上と消費拡大を目的に、チーズコンテストなどを開催してきました。
平成18年8月には「十勝ナチュラルチーズ連絡協議会」として、また平成24年6月からは親睦を主な目的とした現在の「十勝ナチュラルチーズ協議会」の名称で活動を続けています。
十勝産のナチュラルチーズを地場の名産品・地域産業として発展させようと、工房会員相互の信頼を強め合い、チーズ造りを活性化させ、さらにナチュラルチーズの普及と個人会員との交流をすすめています。
具体的には、工房会員への技術指導や一般向けセミナー、消費者へのPR活動や交流会などを行なっており、チーズ生産者だけでなく、チーズをサービスする方、一般の消費者、学生も協議会の会員として、新た連携を続けています。
日本国内で生産されるナチュラルチーズの約90%が北海道で製造されており、そのうち約70%が十勝で生産されています。十勝でナチュラルチーズが多く生産される背景には、この地域に住む乳牛たちと肥沃な大地が大きな役割を果たしています。
広大かつ平坦な十勝平野は、乳牛の飼育に理想的であり、この土地で育つ牛やヤギは青々とした牧草をたくさん摂取し、豊かな栄養分を含むミルクを生み出します。その新鮮で栄養満点のミルクは、ナチュラルチーズの製造に最適であり、十勝の乾燥した気候と寒暖差の激しい気温も、ナチュラルチーズの生産と管理に適しています。
現在、十勝地域には約35のチーズ製造所が存在し、そのうち14のチーズ工房がナチュラルチーズ協議会に参加。地域への貢献を目指して精力的に活動しています。これらの工房が製造する多くの種類の十勝産ナチュラルチーズは、最近では世界大会や国内コンテストで金賞を含む多くの賞を獲得し、その味わいも技術と共に進化し続けています。
また、2023年には、農水省は『十勝ラクレット』に地理的表示(GI)保護制度の登録を承認し日本初のGIチーズとなりました。今後、十勝を代表するチーズとして世界に向けて発信されることが期待されます。
十勝の各工房が製造する職人の匠の技や情熱を感じていただき、安心安全で美味しい十勝産のナチュラルチーズをぜひ召し上がっていただければ幸いです。
十勝ナチュラルチーズ協議会
会長
赤部 順哉
(十勝野フロマージュ)
上記の他にも、オイル漬けチーズ、チーズのセット商品、バター、アイス、ヨーグルト、ミルクジャム、ピザ、十勝の農産物など多様な商品があります。詳しくは各工房のECサイトをご覧ください。
代表の宮嶋望さんが新得町にやってきたのは1978年。さまざまな理由で生きづらさを感じる人たちと生活や仕事を共にし、誰もが活躍できる環境づくりを実践してきた共働学舎新得農場を設立。ブラウンスイス牛を放牧し、絞った生乳はポンプを使わず自然流下で工房に運ぶというこだわりのチーズ造りをしている。日本初の国際大会優勝チーズとなった酸凝固チーズ「さくら」、など、日本ならではの原材料を活かしたチーズで国際的な評価を得た。国産チーズのレベルを世界に知らしめ、現在活躍するチーズ職人の多くを輩出。国産チーズの発展を支えてきた第一人者である。
新得町字新得9-1
TEL 0156-69-5600
FAX 0156-64-5350
【営業】 チーズショップ「ミンタル」10:00~17:00(4~11月)、10:00~16:00(12~3月)
【休】日曜定休(4月~11月 無休)
【HP】 http://www.kyodogakusha.org/
【EC】 https://kyodogakusha-online-shop.org/
日高山脈の麓、十勝千年の森で日本ザーネン種の山羊、約70頭を昼夜完全放牧して山羊の飼育~チーズ作りまでを行う。2003年に「ランランファーム」としてチーズの生産を開始。希少な山羊乳を使ったチーズにいち早く着目した。キサラファームの山羊乳チーズは独特の風味が穏やかなのが特徴。山羊たちがストレスなく過ごしており、搾乳や飼育を行う畜舎も通気の改善や清掃を徹底、家畜の臭気が少ない環境を実現した。代表作品の「十勝シェーブル・炭」は国内外のチーズのコンテストでも数々の受賞歴がある。同じ清水町内の酪農家から仕入れた、牛乳を原料としたチーズも製造しており、こちらも評価が高い。
清水町羽帯南10線
TEL 0156-63-3800
FAX 0156-63-3801
【営業】十勝千年の森ショップ 10:00~16:00
(10月中旬~4月中旬まで休業)
【HP】 http://www.tmf.jp/
【EC】 https://tmfc.official.ec/
十勝野フロマージュからは、日高山脈の雄大な自然が広がる。「美味しい空気と水で育った牛のミルクでチーズを作ったらきっと美味しい」そんな確信のもと、十勝野フロマージュはチーズを作り始めた。今では当店のチーズは、全国各地の販売店、飲食店へ出荷されている。
村内の指定牧場の良質な生乳だけを使い、クリーンな工房環境でつくられるチーズは上質で嫌な臭みもなく、優しい甘さとまろやかな食感が堪能できる。カマンベール・ラクレット・フレッシュチーズ等、こだわってつくられたチーズは、海外の人にも称賛され平成24年3月よりJAL国際線でも提供されている。
中札内村西2条南7丁目2番地
TEL 0155-63-5070
FAX 0155-63-5071
【営業】10:00~17:00
【休】水曜日(祝日の場合は営業)※7月~9月まで無休
【HP】 http://www.t-fromages.com/
【EC】 http://www.t-fromages.net/
「いつものテーブルにチーズを」これを合言葉に、開場100年の歴史を刻む新田牧場の生乳を主原料として作り出されるバラエティーに富んだチーズの数々は、いつでも、誰にでも、気軽に楽しでいただける、そんな「食べる人を選ばないチーズ」として人気。
幕別町新和162-111
TEL 0155-57-2511
FAX 0155-57-2533
【営業】10:00~17:00
【休】日曜日 ※12月~2月は冬期休業
【HP】 https://needs-kashiyuni.com/
【EC】 https://shopping.geocities.jp/needs-tokachi/
副代表の佐々木一憲さん(43)は函館の高校卒業後、花畑牧場の「カチョカバロ」を知ったことからこれを作ってみたいと思い花畑牧場に入社。その時指導に来ていた「共働学舎」の鈴永寛さんと出会い、それ以来チーズについての勉強を重ねてきた。6年間花畑で働いた後、広島の「ちぃーずの物語」の工場で働き、四国乳業で働いていた鈴永さんに鈴永さんの元で働きたいとの思いを伝え7年前から「あしょろチーズ工房」で一緒に働き、指導を受け今年1月から経営を引き継ぎ「あしょろチーズ工房」の名前のまま活動を続けている。主力商品はモッツァレラを一口サイズに切った「ころ」や3か月以上熟成させたチェダータイプの「結」、ラクレットタイプの「真」など7種類を精力的に製造している。「まだまだ勉強することはありますが、とにかく美味しいチーズを作っていきたい」と佐々木さん。十勝に若いチーズ作り職人がもう一人増えた。
足寄郡足寄町中矢673-4
TEL 0156-25-7002
FAX 0156-25-7002
【HP】 https://ashoro-cheese.jimdofree.com
95年前(昭和初期)北海道庁貸付牛1頭から始まった嶋木牧場は、3代目である嶋木正一さんが1983年にアメリカ牧場研修中に酪農家が作るアイスクリームに衝撃を受けたのをきっかけに、ジェラートづくりを始めたのが現在のハッピネスデーリィである。現在では道内各地でみられるジェラートアイス製造の先駆者である。牧場経営は長男夫婦に移譲し、スイスチーズ学校とボルニク親方に学んだ方とチーズづくりをスタート、池田町でチーズ製造を開始した。代表作「森のカムイ」はJAL国際線7路線のファーストクラス機内食採用で使用された他、国内のチーズアワードで最高賞を受賞した実績がある。現在は、2014年の「ニッポンふるさとアイス選手権」で、グランプリを受賞した「生ソフトクリーム」の人気が高く、製造を伸ばしている。
池田町清見103-2
TEL 015-572-2001
FAX 015-572-2012
【営業】9:00~17:00
【休】火曜日(祝日は営業)※11/1~3/31は冬期休業
【HP】 http://happiness-dairy.com/
【EC】 https://happiness-dairy.shop-pro.jp/
代表の白井隆さんと温紀さん夫妻が、湖沼群が広がる南十勝の湖水地方を拠点に2013年にブラウンスイス種の牧場を開いたのが「湖水地方牧場」である。その後、日本では珍しい湿原動物の水牛の飼育に挑戦。春から夏にかけて海霧が発生する影響で、ミネラルを多く含んだ牧草で育つ湖水地方牧場の乳牛は乳質が高く、水牛ミルクから作るモッツアレラは、濃厚なミルクの甘みと豊かな香りが特徴。日本ソムリエ協会から「日本一のモッツァレラチーズ」に選ばれるなど、高い評価を得ている。2022年からユーハイムから技術協力を得て洋菓子の製造の開始している。
幕別町忠類晩成47番地1
TEL 01558-7-8555
FAX 01558-7-8680
【HP】-
代表の本間幸雄さんは大学卒業後、山梨や北海道でチーズ作りを経験。理想とするチーズを目指すなかで、足寄町「ありがとう牧場」の放牧牛のミルクのおいしさにと、放牧酪農に対する考え方に共感し、牧場の敷地内に工房を設立した。2016年からは独立して現在「しあわせチーズ工房」となりチーズを製造している。代表作の「幸(さち)」はチーズ業界で最も権威ある国際品評会「ワールドチーズアワード2022」で、スーパーゴールドを獲得。理想としているのはその土地の個性を感じる味。ここでしかできない牛乳で世界一のチーズ作りに挑戦し続けている。
足寄郡足寄町茂喜登牛141-4
TEL 0156-26-2585
FAX 050-3730-5946
【HP】 http://www.shiawasecheese.com
【EC】 https://www.shiawasecheese.com/shop
加藤牧場は加藤賢一さんが1975年に入植して始めた牧場で、1988年から量より質への転換を目的にジャージー種を導入した。2012年に帯広の八千代牧場にある畜産加工施設でチーズを製造、販売を開始。2019年には牧場の隣に自社工場を新設した。ジャージー種の牛乳は乳脂肪分、無脂乳固形分、乳タンパク及びカロテンなどの成分含有率が高く乳質は良いが、乳量が少ないため、乳牛としては全国でも飼育頭数が少ない。そんな希少な乳を使ったゴーダチーズは、8ヶ月以上の熟成期間を経て、ジャージー特有の風味を閉じ込めたようなチーズとして人気が高い。
帯広市美栄町西8線128番地
TEL 0155-60-2152
FAX 0155-60-2153
【HP】 http://www.katofarm.net/
【EC】 https://hgsite.net/SHOP/11007-0001.html (※販売先)
日高山脈の麓、十勝清水町で1990年に有限会社あすなろファーミングを設立。直営の村上牧場では土作り、草作り、牛作りをモットーに土壌管理を行い、JAS認証を取得した牧草地で育てた乳牛は良質な生乳を作り出す。放牧牛乳を使用した低温殺菌牛乳「あすなろ牛乳」や飲むヨーグルト、ソフトクリームなどが人気。代表の村上悦啓さんがチーズ製造に乗り出したのは2019年。試行錯誤を重ねて作り上げたチーズは生乳の味を生かしたシンプルなおいしさが評判。ゴーダチーズ「黒蝦夷松」はジャパンチーズアワード2022年で銀賞を受賞した。
清水町清水第4線65番地
TEL 0156-62-2277
FAX 0156-62-7213
【営業】8:30~17:30
【HP】 https://asunaro-farming.co.jp/
代表の寺尾智世さんは、フランスで放牧による酪農、チーズ作りを体験しながら、チーズ製造研修を経たのち、日本に帰国後は共働学舎新得農場で工場長として活躍。2020年に広内エゾリスの谷チーズ社を創業した。共働学舎から製造を引き継いだ「コバン」は、地元の酪農家との協力のもと、自然な生乳の風味を最大限に引き出したまろやかなで優しい風味が特徴。チーズに馴染みの無い方からチーズ好きな方まで、広く愛されている食べやすい白カビタイプチーズだ。小さな子供にも喜んでもらえることがチーズ作りで大切にしているコンセプトの1つとして大事にしてる。
新得町字新得西3線42-10
TEL 0156-67-9240
FAX 0156-67-9241
【HP】 https://ezorisucheese.net/
【EC】 https://ezorisucheese.shop/
更別村にある牧場では、10数頭のブラウンスイス種を放牧し、乳量を求めず、自然のままに搾った新鮮なミルクを原料にチーズづくりをおこなっている。チーズは玄武岩に囲まれた熟成庫で丹念に熟成され、冬の間に蓄えられた雪の冷気を夏季の温度管理に利用し、製品の管理にも自然の力を巧みに組み入れている。オーガニックチーズ「モム」は3ヶ月以上熟成させたセミハードタイプ。帯広市内の「ナチュラルココ」で一般販売されている。
更別村更南南4線西10番地2
TEL 0155-52-3870
FAX 0155-52-3870
【HP】 http://tokapuchi.jp/
【HP】 http://www.natural-coco.jp (※販売先)
農作物用の大型クラフト紙袋を製造する東陽製袋が、十勝の農業発展に貢献し、酪農家と消費者をつなぐことを目指して2020年に設立された。大手乳業メーカーとチーズ工房の中間規模のチーズ工場で、最大3トンのミルクローリーを自社で所有しており、十勝管内4牧場より集荷している。食品ロスを削減し、食べやすいスティックタイプのチーズや、ラクレットチーズはオーブンで使用するちょうど良いサイズにするなど、商品コンセプトにも重点を置いている。2021年には食品安全の国際規格である「FSSC22000」の認証を取得。2023年からシンガポールへ輸出を開始している。
芽室町東芽室基線3番5号
TEL 0155-62-0007
FAX 0155-62-0770
【HP】 https://age-tcf.com/
【EC】 https://age-2020.com/
2015年、十勝地域のチーズの価値向上を目指し、生産者たちが団結。「十勝品質事業協同組合」が設立された。その成果として2017年には、日本初のラクレット共同熟成庫が音更町十勝温泉に誕生。長い年月をかけて古代の植物が蓄積し、発酵した地層から湧き出る世界的にも珍しい「十勝川モール温泉水」を使用して、チーズの表面を磨く独自の熟成方法が考案され、唯一無二のラクレットチーズが完成。2023年には、農水省は『十勝ラクレット』に地理的保護制度(GI)の登録を承認し日本初のGIチーズとなった。今後、十勝を代表するチーズとして世界に向けて発信されることが期待されている。
音更町十勝川温泉北14丁目4-7
TEL 0155-67-6080
FAX 0155-67-6081
【HP】 http://tokachipride.jp/
【EC】 https://tokachipride.theshop.jp/
酪農業が盛んで、チーズ工房が点在する十勝。店頭では十勝を中心とした約50種類のチーズを扱っている。また、北海道産・十勝産のチーズを使ったオリジナルスイーツも人気商品。
帯広市西6条南17丁目3-1
TEL 0155-21-0101
【営業】ショップ10:00~18:00 カフェ10:00~17:00(L.O16:30)
【休】不定休(HP参照)
【HP】 http://www.toteppo-factory.com/
帯広駅から車で約5分、市街地とは思えないほどのくつろぎを感じる緑豊かな森に囲まれている。十勝・帯広のおいしい食でもてなし、植物性モール温泉の源泉で癒される全国的にも評判のホテル。
帯広市西7条南19丁目1
TEL 0155-21-0001
【HP】 https://www.hokkaidohotel.co.jp/
2016年に誕生した畜大チーズ部は2023年4月末の部員数は68人。主にチーズの製造実習やチーズ工房の見学・研修の他、部員で持ち寄ったチーズを味わう『チーズを楽しむ会』も実施している。
帯広市稲田町西2線11番地
TEL 0155-49-5307(学生支援課)
【HP】 -
ナチュラルチーズ研究会でチーズの学習をしている。協議会に参加させて頂き、プロの方々からチーズの奥深さについて学んでいます。
帯広市稲田西1線9番地
TEL 0155-48-3051
FAX 0155-48-3052
【HP】-
八代将軍徳川吉宗の時代に、外国から輸入した白牛(牡1頭、牝2頭)を飼ったのが、日本の酪農の始まりといわれています。 「サイロ博物館」(新穂栄蔵著)に紹介されています。 その牛乳から「白牛酪」を作って日本橋の玉屋で売ったそう。 牛乳を精製した濃厚な甘みの液「醍醐」に似たようなもので、滋養に富んでいたそう。
1684年に、渡島の白神岬に一頭の白い牛が泳ぎついたというのが北海道で一番古い記録のよう。 以下は「更科源蔵、北海道事始め」からの引用になります。 牛乳が最初に絞られたのは江戸の終わり、アメリカの貿易事務官ライスが函館にやってきて、お寺で搾乳したといいます。 明治6年(1873年)にはアメリカからの輸入牛が道南の七重勧業試験場に導入されています。
チーズの作り方を道内に教えたのは北海道畜産の土台を作ったエドウイン・ダンとされています。 七重試験場で試作したのが始まりとされています。 本格的にチーズ製造は行われたのは、1900年ごろ、函館のトラピスト修道院でのことでした。
北海道開拓使が購入した牛42頭、羊100頭を伴って明治6年に来日したエドウィン・ダン。 開拓顧問のホーレス・ケプロンの招請でした。 ダンは函館の七重勧業試験場で農業技術を教え、クラーク博士を助けて札幌農学校の教育にも当たりました。 チーズの作り方を伝えたのもダンです。
後の町村牧場は、ダンに薫陶を受けた町村金弥の長男・敬貴が開設したものです。(サイロ博物館=新穂栄蔵著)
乳用牛の代名詞、ホルスタインが初めて北海道に入ってきたのは明治23年のことです。 日本への導入が明治16年といいますから、それから遅れること7年後のことです。 原産地はオランダや品種名の由来となったドイツのホルスタイン地方。 正式にはホルスタイン・フリーシアン種といいます。
ホルスタイン種の産乳能力は年間6000-8000kg。 中には年に2万kg以上を生産するスーパー・カウもいます。 十勝では年間2万6000㎏を生産した牛がいました。 道内で、乳用牛は約85万頭飼われています。 このうち約25%を占める22万頭が十勝で飼養されています。
十勝の開拓の祖として知られる依田勉三は静岡県松崎町の出身。 1884年に入植し、大樹町のオイカマナイでホルスタイン種などを導入して牧場経営に当たりました。 依田勉三の合資会社晩成社の記録では1891年には乳用牛100頭を飼い、繁殖と乳製品、肉製品の製造事業に当たりました
晩成社の練乳所が製造したバターはマルセイバターとして知られ、帯広市の製菓会社の代表的銘菓マルセイバターサンドに名を残しています。
十勝には、中小の工房のほか、大手乳業メーカーの大規模チーズ工場が集中しています。 なかでも十勝ブランドを冠しているチーズ製品で知られる明治乳業十勝工場(芽室町)は、国内最大級の規模を誇ります。 また、よつ葉乳業の十勝主管工場(音更町)、ナチュラルチーズ専門工場の雪印乳業大樹工場(大樹町)で生産が行われています。
北海道十勝支庁のまとめによると、ナチュラルチーズの十勝管内の年間生産量は、約2万6000トンで全国の約半分を占めます。 それに使う牛乳の量は22万トン強に及びます。 まさに十勝はチーズ王国です。